大正時代、袴姿の女学生。
いいよね!(何が?)
そんなワケで、今回取り上げるのはこちら。
大正ガールズエクスプレス
著者:日下直子/講談社
少女マンガなんですが、全くもって
男女問わずにオススメできる作風であり画風。
表紙イラストなんかも男性でも買いやすいんじゃないかと思うのですが。
この作品は大正時代に生きる少女2人の出会いから始まるガールズストーリーです。
何はともあれ、そのメインとなる2人の少女をご紹介。
高嶺女学園に通う女学生・
美杉千世。
成績優秀で、家柄も華族の血を引く超お嬢様。
ただ、女性は良妻賢母が良しとされた時代に彼女は頭が良すぎた(笑)。
女性でありながら、この時代に逆らい何とか自立を目指そうと考えておりまして。
そんな千世の前に現れたのが…。
貧乏な漁村出身で、借金のカタに身売りされそうになったところを何とか逃亡した少女・
田辺よし子。
貧乏であるが故に、当然学校などには通えず知識レベルは底辺。
しかもかなりの天然さんですが、彼女のたった1つの特技が絵。
幼少期に偶然見かけた少女用の雑誌に描かれていた絵を見て以来、ひたすら砂浜に描き続けて来たおかげで、絵だけはかなりの上手さに。
どんなに学問を究めようとも女性であるというだけで将来に何の希望も見出せない現状に不満を抱いている千世。
新聞で
「時局諷刺画家」を募集しているのを知り、挑戦してみようと思うも
壊滅的に絵が下手で即挫折。
そこで偶然出会ったのがよし子。
学は無いが、その代わりに絵の才能はズバ抜けている彼女と、自分が組めば共に夢を作れるのではないか…。
こうして千世の
野望と、初めて友達ができたよし子の
夢が動き始めます。
そう、ストーリーだけ描くと
大正浪漫青春物語なんですよ。
非常に先の気になる展開で、失敗を繰り返しながら2人が少しずつ前進していく姿は感動できますし。
ところがこの非常にいい物語が
ギャグの中で展開されているのがミソ。
青春モノにギャグ要素が入ってるというべきか、ギャグ漫画に青春モノの要素を混ぜたというべきか
悩むレベル(笑)。
いや、マジでギャグの入って無いページがほとんどないんですよ、これ。
しっかりとしたストーリーを展開させつつ、それを笑わせながら読ませる、実に
読者を楽しませてくれる作品です。
自分の中で最も笑ってしまったのが134ページから135ページの流れ。
たった一言に対するリアクションでここまでやるか、っていう(笑)。
これは非常に続きが気になる作品です。
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